厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」は、2025年10月1日現在を調べた統計である。男性の育児休業取得率は50.9%となり、前年の40.5%から10.4ポイント上がった。一方、管理職等に占める女性の比率は、部長相当職9.2%、課長相当職13.2%、係長相当職20.9%だった。

二つの数字を同じ「職場の変化」として並べると、男性育休は大きく前進し、女性の登用も一様ではない形で進んでいることが見える。育休取得の伸びと、上位職に女性が増える速度は、同じ指標では測れない。

男性育休は初めて5割超、女性は高水準で小幅上昇

取得率の分母は、2024年10月1日から2025年9月30日までの1年間に、在職中に出産した女性、または配偶者が出産した男性である。分子は2025年10月1日までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人と、開始を申し出ている人だ。全男性労働者の半数が休業したという意味ではない。

図1 育児休業取得率:前年からの変化
対象令和6年度令和7年度前年差
女性86.6%88.3%+1.7ポイント
男性40.5%50.9%+10.4ポイント

女性 88.3%/男性 50.9%。分母は出産者または配偶者出産者。

出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 事業所調査 結果概要」(2026年7月31日公表)

女性は88.3%で、前年から1.7ポイントの上昇にとどまる。もともと8割台後半にあるため、男性のような二桁ポイントの上昇と単純に比べるのは適切ではない。男性では、育休開始者のうち産後パパ育休を取得した人の割合が58.3%で前年の60.6%を下回った。これは男性の育休全体が減ったことを示すものではなく、育休取得者の中での制度利用の内訳である。

有期契約労働者に限ると、男性の取得率は40.4%(前年33.2%)、女性は74.8%(同73.2%)だった。雇用形態で取得率に差があることも、全体値だけでは見えにくい。

女性管理職は「職位」で異なる

企業調査では、常用労働者10人以上の民営企業を対象に、各役職者に占める女性の割合を集計している。部長相当職は前年から0.5ポイント、課長相当職は0.9ポイント上がったのに対し、係長相当職は0.2ポイント低下した。

図2 役職別・女性管理職等割合:前年との比較
役職令和6年度令和7年度前年差
部長相当職8.7%9.2%+0.5ポイント
課長相当職12.3%13.2%+0.9ポイント
係長相当職21.1%20.9%-0.2ポイント

令和7年度は、部長相当職9.2%、課長相当職13.2%、係長相当職20.9%。

出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 企業調査 結果概要」(2026年7月31日公表)

ここで「女性管理職がいる企業の割合」と「管理職に占める女性の割合」を混同しないことが重要だ。例えば女性の部長相当職を有する企業の割合は14.7%、課長相当職では23.0%である。これは一人でも女性がいれば数える企業ベースの指標であり、役職者全体に占める女性比率とは分母が異なる。

規模が大きいほど比率が高い、とは限らない

役職者に占める女性の割合を企業規模別にみると、10〜29人規模が部長16.7%、課長18.9%、係長25.9%で、いずれも最も高い。5,000人以上規模はそれぞれ4.8%、10.5%、14.5%だった。

図3 企業規模別・女性割合(令和7年度)
企業規模部長相当職課長相当職係長相当職
5,000人以上4.8%10.5%14.5%
10〜29人16.7%18.9%25.9%

各欄の分母は当該役職者総数。企業規模10人以上の計は、部長9.2%・課長13.2%・係長20.9%。

出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 企業調査 結果概要」(2026年7月31日公表)

ただし、これだけで小規模企業の登用が進んでいると結論づけることはできない。大企業では女性の部長相当職を有する企業が76.2%、課長相当職を有する企業が94.8%に達する一方、役職者数も多く、構成比の分母は異なる。役職構成、採用・配置、昇進の経路まで含めた比較が必要になる。

二つの統計をどう読むか

育休取得率は、出産という特定の出来事を経験した人が制度を使えたかを示す指標である。女性管理職比率は、すでに役職に就く人の構成を示す。調査対象も前者は常用労働者5人以上の事業所、後者は10人以上の企業で一致しない。

したがって、男性育休50.9%を女性の管理職比率の改善と直接結び付けることはできない。とはいえ、育休を取得する男性が増えることは、育児を女性だけの事情とみなさない職場運営の基盤になりうる。今回確認できる事実は、男性の制度利用が急伸した一方、女性の登用は職位・企業規模によって濃淡がある、という点である。

調査は企業3,077社、事業所3,291所の有効回答を基にした標本調査である。単年の小さな上下だけでなく、分母、対象、そして職位別の推移を分けて追うことが、職場の構造変化を誤読しない近道となる。

出典・参考資料
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