小学校の在学者数は581万2千人へ減り、小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人へ増えた。どちらも学校をめぐる重要な変化だが、同じ分母、同じ時点を測った数字ではない。前者は2025年5月1日現在の学校の規模、後者は2024年度(2024年4月から2025年3月)の長期欠席の状況である。「児童生徒数が減ったから不登校の比率が上がった」とは、この二つの調査だけからは言えない。

文部科学省が2025年12月26日に確定値を公表した「令和7年度学校基本統計」は、各学校種の在学者数を示す。一方、「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」は2025年10月29日に公表され、2026年1月16日に一部修正された。こちらは年度を通じた欠席状況を全数調査で捉える統計だ。

在学者数は全ての三校種で前年を下回る

2025年5月時点では、小・中・高校のいずれも前年より減少した。減少人数が最も大きいのは小学校で、12万9千人減である。小学校と中学校は過去最少となった。

図1 2025年5月1日現在の在学者数と前年からの増減
学校種在学者数前年からの増減
小学校581万2千人12万9千人減
中学校310万5千人3万6千人減
高等学校287万4千人3万3千人減

出典:文部科学省「令和7年度学校基本統計 調査結果のポイント」(2025年12月26日公表)。

これは、学校に在籍する子どもの母数が縮むという規模の変化を表す。学校基本調査には義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校なども別建てで含まれるため、単純に小・中・高校の三つだけを「学齢人口全体」とみなすことにも注意がいる。

不登校は人数も「千人当たり」も増えた

不登校調査でいう不登校は、年間30日以上欠席し、病気や経済的理由を除き、心理的・情緒的・身体的または社会的要因・背景により登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあると学校が判断した児童生徒である。日々の欠席者数でも、長期欠席者全体でもない。

2024年度の小・中学校の不登校児童生徒数は35万3,970人で、前年度より7,488人(2.2%)増えた。小学校は7,334人増えたのに対し、中学校は154人増でほぼ横ばいだった。小・中学校合計では12年連続の増加である。

図2 小・中学校の不登校児童生徒数:2023年度から2024年度へ
区分2023年度2024年度増減
小学校130,370人137,704人+7,334人(+5.6%)
中学校216,112人216,266人+154人(+0.1%)
小・中合計346,482人353,970人+7,488人(+2.2%)

出典:文部科学省「令和6年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』結果について」(2026年2月掲載、2026年1月16日一部修正後の数値)。

人数だけでなく、同調査が算出した小・中学校の児童生徒1,000人当たりの不登校児童生徒数も、37.2人から38.6人へ増えた。割合に直すと約3.9%である。内訳は小学校23.0人から/1,000人、中学校67.9人/1,000人で、中学校の水準が高い。ただし、この「千人当たり」の分母は不登校調査の対象となる小・中学校の在籍児童生徒であり、2025年5月の学校基本調査の小中在学者数と時点・集計範囲が一致しない。

図3 小・中学校の不登校児童生徒数(在籍者1,000人当たり)
区分2023年度2024年度変化
小学校21.4人23.0人+1.6人
中学校67.1人67.9人+0.8人
小・中合計37.2人38.6人+1.4人

出典:文部科学省「令和6年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』結果について」(2026年2月掲載)。

比べるべきは「規模」と「発生の広がり」

在学者数の減少は、学年規模、学校配置、教職員配置を考える基礎になる。これに対し、不登校の人数と千人当たりの数は、長期欠席という状態がどの程度広がっているかを示す。2024年度は新規不登校児童生徒数が15万3,828人と前年度の16万5,300人から減り、不登校継続率も小・中学校とも低下した一方、合計人数と千人当たりの数は増えた。増加率が鈍化したことと、総数が減少へ転じたことは別である。

したがって、学校の変化を読む際は、まず「いつ時点の、どの学校種・範囲の在籍者数か」を確かめる。その上で、不登校は人数だけでなく在籍者1,000人当たりの数、新規・継続の内訳を併せて見る必要がある。児童生徒数の減少と不登校の増加は並行しているが、前者は人口・学校規模、後者は長期欠席の状況を示す別の指標である。

出典・参考資料
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