厚生労働省が2026年8月31日に公表した「令和7年外国人雇用実態調査」は、外国人を雇う事業所で働く外国人常用労働者を、在留資格や雇用条件別に見る調査である。推計された人数は203万8,878人。前年の約182万人から増えた。

一方、出入国在留管理庁が2026年3月27日に公表した2025年末の在留外国人統計では、在留外国人は412万5,395人で初めて400万人を超えた。二つの数字をそのまま引き算して「働いていない人」を求めることはできない。前者は2025年9月30日時点で、雇用保険被保険者5人以上かつ外国人を1人以上雇う事業所の常用労働者が対象であり、後者は年末時点の在留外国人全体だからだ。留学生、家族滞在者、子ども、就労していない人、調査対象外の事業所の労働者などが混在する。

特定技能の人数増だけでは、働く外国人の雇用条件や安定性は分からない。資格区分ごとに、正社員・正職員の割合、賃金、働く時間が異なることを分けて読む必要がある。

正社員比率は「専門・技術」と留学で対照的

雇用実態調査では、外国人常用労働者全体の正社員・正職員比率は57.7%だった。だが、資格区分ごとの差は大きい。「専門的・技術的分野」は70.8%であるのに対し、留学は正社員・正職員以外が94.3%を占めた。技能実習は正社員・正職員が56.1%、身分に基づくものは正社員・正職員以外が52.5%だった。

ここでいう「正社員・正職員」は企業内での呼称による区分であり、雇用期間の定めがないことと同義ではない。例えば技能実習の正社員・正職員56.1%のうち、期間の定めがある人は38.1%である。名称だけで雇用の継続性を判断しないことが重要だ。

図1 在留資格区分別の雇用形態(外国人常用労働者、2025年9月30日)
区分正社員・正職員正社員・正職員以外
専門的・技術的分野70.8%29.2%
技能実習56.1%43.9%
身分に基づくもの47.5%52.5%
留学5.7%94.3%

出典:厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査の概況」(2026年8月31日)。

月額給与は身分に基づく区分が高く、技能実習は労働時間が長い

一般労働者の月間きまって支給する現金給与額は平均29万2,400円だった。これは2025年9月分として支給された、超過勤務手当を含む税・社会保険料控除前の給与であり、賞与は含まれない。

在留資格別では、身分に基づくものが34万7,200円、専門的・技術的分野が30万6,500円、特定技能が25万4,100円、技能実習が21万3,500円だった。ただし、この比較は職種、産業、年齢、勤続年数、労働時間を調整した「同じ仕事なら同じ賃金」の比較ではない。資格区分ごとの就く仕事や雇用形態の構成差を含む平均値である。

図2 在留資格区分別の月額給与と実労働時間(一般労働者、2025年9月分)
区分きまって支給する現金給与所定内実労働時間超過実労働時間
専門的・技術的分野30万6,500円159.4時間16.4時間
うち特定技能25万4,100円163.1時間20.3時間
技能実習21万3,500円165.2時間21.4時間
身分に基づくもの34万7,200円151.0時間15.8時間

出典:厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査の概況」(2026年8月31日)。給与は超過勤務手当を含み、賞与を含まない。

在留資格の母集団では、特定技能は39万人

2025年末の在留外国人全体では、永住者が94万7,125人で最多だった。次いで技術・人文知識・国際業務が47万5,790人、留学が46万4,784人、技能実習が45万6,618人、特定技能が39万296人である。特定技能は前年末から10万5,830人増え、増加数が大きい。しかし在留外国人全体に占める人数では、永住者や留学生、技能実習生も大きな比重を持つ。

雇用実態調査の「専門的・技術的分野」は特定技能だけでなく、技術・人文知識・国際業務や高度専門職などを合算した分類である。反対に入管統計の技術・人文知識・国際業務と、雇用実態調査の専門的・技術的分野を同じものとして比べることもできない。

図3 主な在留資格の在留外国人数(2025年末)
在留資格人数前年末からの増減
永住者94万7,125人2万9,009人増
技術・人文知識・国際業務47万5,790人5万7,084人増
留学46万4,784人6万2,650人増
技能実習45万6,618人23人増
特定技能39万296人10万5,830人増

出典:出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」(2026年3月27日)。

国内定着者と海外からの就職者では入口も違う

労働者調査では、入職前に日本に住んでいた人の入職経路は「知人・友人」が37.8%で最多、求人広告が19.1%、国内の民間紹介会社が10.6%だった。入職前居住地が日本以外だった人では、紹介会社や個人などの紹介を受けた人が82.0%で、出身国・地域の紹介会社・個人が41.2%を占める。

仕事上のトラブルや困ったことが「あり」と答えた人は10.0%だった。その回答者に限ると、紹介会社(送出し機関を含む)の費用が高かったという回答が22.2%で最も多い。全労働者の22.2%ではなく、トラブルがあったと答えた人を分母にした複数回答である点に注意したい。

在留資格の人数、雇用形態、賃金、入職経路は別々の統計上の切り口である。政策や企業の受入れ体制を評価する際は、特定技能の増加だけでなく、どの資格区分で、どの雇用条件と採用経路が広がっているのかを併せて確認する必要がある。
出典・参考資料
トップページへ戻る